お薬は、指示通り正しく服用することで、副作用を抑えたり適切な効果が期待できます。
薬局でもらうお薬の袋に飲み方の指示が書いてありますので、確認してから飲みましょう。
お薬の正しい服用方法ページの目次
1. 意外と知らない薬の正しい飲み方
1-1. お薬の飲み方
1-2. お薬の適量ってどのくらい?
2. 薬袋に書いてある用語の意味について
2-1. 起時とはいつ?
2-2. 食前は何分前?
2-3. 食直前とは食前とどうちがうの?
2-4. 食間とは食事と一緒に?
2-5. 食直後と食後の違いは?
2-6. 食後30分の理由
2-7. 寝る前は布団に入る直前のこと?
2-8. 頓服はいつでもいいの?
2-9. サーカディアン・リズムによる薬の服用
3. 薬の保管方法どうしていますか?
4. 薬の有効期限はどのくらい?
1. 意外と知らない薬の正しい飲み方
1-1.お薬の飲み方について
内服薬を飲む時は、水または白湯(ぬるま湯)をコップ一杯(約200ml)程度で飲むように説明していますが、これは単薬を飲み込む為だけではありません。薬は、市販される前に製薬メーカーがたくさんの厳しい試験を行いますが、白湯(ぬるま湯)コップ一杯程度で、胃の中でお薬がきちんと溶けて吸収され最も効果が出る用に想定されています。水なしでも飲み込めるからといって、錠剤やカプセルだけで飲んだり、少量の水で飲むと、胃で十分に解けなかったり、食道や胃に負担をかけてしまうこともあります。
また「一緒に飲まないから」と、薬を飲む直前にアルコール類や牛乳、濃いお茶などを飲んだ場合は、胃の中で薬と一緒に混ざってしまう為、注意が必要になります。食品、飲料水によってはお薬の吸収に影響してしまうものがありますので、薬の服用の前後2時間程度は注意してください。
1-2. お薬の適量ってどのくらい?
ひどい痛みの時や辛い症状がなかなか治らないときは、「つい薬をたくさん飲んだら治りそう・・」と思いがちです。薬は飲んでから胃や腸で吸収されるまでの時間、どの位の量を飲んだら効果がでるのか薬ごとに違います。飲みすぎると悪い影響を及ぼすこともありますので、自己判断で量を増やさず薬剤師に問い合わせください。詳しくはこちら
2. 知っていますか?薬袋に書いてある言葉
2-1. 起床時とはいつ?
起きてすぐ飲む指示です。消化管からの吸収が悪く食事の影響を受けやすいお薬の場合があります。
例:骨粗鬆症(ボナロン・ベネットなど)
2-1. 食前は何分前?
食事の20〜30分くらい前に服用する指示です。お薬の効果によっては食前のほうが良いものがあります。
例:糖尿病のお薬(血糖値を下げる)、胃腸の調子を整える、吐き気を抑える薬(プリンペラン・ナウゼリン)など
2-3. 食直前とは食前とどうちがうの?
食直前は食事で席に着いたタイミング、食事をする直前に服用する指示ですから、食前よりは少し後になります。主に食べ物が胃に入り消化し始める前に服用する必要のあるお薬のケースです。
例:糖の吸収を抑え食後の血糖上昇を抑える薬(ベイスン錠・グルコバイ錠)など。
2-4. 食間とは食事と一緒に?
食間は食事を終えてから約2時間後が目安です。食事の最中ではなく、食事と食事の間という意味でなのでご注意下さい。胃の中が消化されてから飲むと吸収が良い薬や、胃の粘膜を保護するための薬などが適しています。
例:漢方薬(ツムラ・クラシエ)など
2-5. 食直後と食後の違いは?
食直後は食事が終わってすぐ飲む(10分以内)、指示ですから食後よりも食事が終わってすぐの指示です。
例:血中のコレルテロールを押さえるお薬(EPA)や、リンの吸収を抑える薬など
2-6. 食後30分の理由
食後の指示は、食事が終わった20〜30分くらい後に服用する指示です。飲み薬の中ではこの指示が一番おおいですね。なぜ30分後がよいかというと、食事の後は胃の中で食べ物が消化されているので、胃への刺激が少なくなるためです。
例:血圧のお薬(ディオバン他)、細菌の増加を抑える抗生剤(フロモックス他)解熱鎮痛剤(ロキソニン)など多数
2-7. 寝る前は布団に入る直前のこと?
寝る前30分くらい前の指示です。主に、寝つきを良くするものや眠気を伴うお薬、朝効果が出て欲しい薬などの場合が多い為、お薬を飲んで、吸収されて効果が出始める時間を30分程度としています。勿論、布団に入る直前で、布団の中で、眠くなるのを待つのもOKです。
例:眠りやすくするお薬(マイスリー・ハルシオン他)、副作用で眠気を伴う抗ヒスタミン系かゆみ止め(ポララミン他)、朝効果を期待したい便秘薬(酸化マグネシウム他)など
2-8. 頓服はいつでもいいの?
頓服とは一時的な症状に応じて服用する指示です。1度飲んで効果が出ない場合は続けて飲まず、指定の時間を空けてから服用するようにしましょう。(薬の種類によって間をあける時間が異なります)特に指示がない場合は5~6時間程度を目安にしてください。
例:解熱鎮痛薬(カロナール他)や、乗り物酔い止め(トラベルミン)など
2-9. サーカディアン・リズムによる薬の服用
サーカディアン・リズムとはどんな生き物にもあると言われている、約24時間周期で変動する生理現象のことです。元々生き物が体の中に持ち合わせている体内時計のようなもの。医学の進歩で分かっている生体で生成されるホルモンなどの分泌物や生体機能の自然なメカニズムに合わせて、最も効果的な服用時点が指定されることがありますので、少しご紹介します。
コレステロールのお薬
⇒コレステロールは肝臓で夜に多く合成されるので、コレステロールができないようにする為の薬は夕食後が効果的とされています。
血圧の薬
⇒血圧は 一般に起床前後の早朝から上昇し、活動期の昼間は高く、休息期の
夜間には低下するため、起床時または朝食後の服用が効果的
気管支喘息の薬
⇒気管支喘息は 喘息発作は夜間から明け方にかけて起きやすく、秋に症状が悪化するという季節性があります。そのため、夜間から明け方に発作が起きないように夕食後や寝る前に服用すると効果的です。
秋は日本の台風シーズンでもあり気圧の影響や、夏に活発になったダニの死骸が原因とも言われていますので、普段喘息症状のない方にも、このシーズンは症状が出やすいようなので、気になる方は専門医の受診をお薦めします。
消化性潰瘍の薬
⇒胃腸の弱い方は、夜更かしをした時に胃が痛くなる経験はありませんか?潰瘍の原因となる胃酸の分泌は夕方から夜間に増えますから、胃の調子の悪い時に夜更かしは禁物です。胃酸の分泌を抑える潰瘍のお薬は主に夕食後又は、寝る前に服用します。
骨粗鬆症の薬(Ca製剤)
⇒骨量は夜間に減少しやすくなります。Ca製剤(アスパラ-CAなど)は夜に服用するほうが、治療効果は大きくなります。
3. 薬の保管方法どうしていますか?
薬は高温、多湿、直射日光を避けて室温で保管してください。ここでいう室温とは、厚生労働省の日本薬局方では1~30℃と定められていますので、通常のお部屋の中でしたら大丈夫です。蓋の付いた空き缶や、チャック付の袋などに乾燥剤を入れて保管しておくのも安心です。
坐薬や液剤・水薬、またはインスリンなどの注射薬は「冷所保存」の指示があると思います。冷凍してしまうとお薬の成分や効果に影響がでてしまう場合もありますので、凍らないように注意が必要です。
必ず、いつの、何のお薬か分かるように薬袋に入れたまま日付がわかる状態で保管するようにしましょう。
4. 薬の有効期限はどのくらい?
定期的にもらっているお薬も、風邪などで一時的にもらうお薬でも余ってしまうことがあります。特に、一時的な症状の場合、「次同じ症状の時に使いたい」ということで保存されるかたも多いことでしょう。では、お薬の有効期間はどのくらいあるのでしょうか。
医療用のお薬は、外箱がない為患者様には資料期限がわかない状態です。その為、ユーアイ薬局では定期的なお薬の使用期限のチェックを行い、使用期限の迫ったお薬が患者様に届かないよう心がけています。ユーアイ薬局で保管中の薬は、錠剤やカプセル剤など内服のお薬の使用期限は薬剤によって半年~3年程度、目薬、軟膏剤なども半年~1年以上余裕があります。
薬の流通は食品と同じで、製薬メーカーから医薬品専門卸経由で調剤薬局や病院などの医療機関に販売されています。どちらの調剤薬局でも、医薬品卸さんから仕入れる際には上記のような使用期限が残っているものを仕入れていますが、流通状況による多少の変動もありますので、長期保存はなさらず、定期的に廃棄することをおススメします。
万が一、残っているお薬の使用期限がご不安な方は、シートに書かれてるロット番号でお薬の使用期限を管理していますので、新宿ユーアイ薬局、ユーアイ薬局新大久保店、ユーアイ薬局早稲田店各店舗へ「残薬整理」とご相談ください。
内服薬(粉・錠剤)
シートに入った粉薬や錠剤は薬剤にもよりますが6ヶ月程度を目安に。
薬局で分包された粉薬や錠剤に関しては湿気を帯びることから3ヶ月を目安にしてください。
※ 注意事項 ※
粉薬やシートに入った錠剤でも、一度開封したものは湿気を帯びるので開封時点で廃棄してください。
シロップ剤で、スティック状の飲みきりの容器に入ったものなどは、外包の期日まで利用可能ですが、お子様のお薬のように、薬局内で調剤したシロップ剤は内容物にもよりますが1週間~2週間を目安に冷蔵庫で保管してください。
外用剤(目薬・軟膏薬・坐薬)
目薬や軟膏のように何度が使用するお薬の場合は、雑菌が入りやすくなりますので防腐剤入りの場合は使用開始から1ヶ月、防腐剤なしの場合は1週間程度を目安にして廃棄してください。
お子様の坐薬のように、使用する前に半分にカットして使用する場合は、残ったお薬を冷蔵庫保管しておけば、外包に書かれた使用期限内は利用可能ですが、一度溶けてしまった場合は、廃棄するようにしてください。
痔の軟膏剤など、患部に直接使用するものの場合は衛生上の理由から再利用なさらず使い切ってください。